自作小説

自作小説

兄と弟

如月圭吾は悠介の弟だ。 悠介とは年の差二つだが、実はそこまで弟という感じはしなかった。 どちらかというと仲の良い友達のような感じで、関係性を意識したことはほとんど無かった。 真面目な性格で気弱な部分もあるが、どこか芯の強い...
自作小説

夏の到来

携帯から鳴り響くアラーム音により、悠介は目を覚ました。 まだ意識のハッキリとしない目で、その画面を覗き見る。 十時四十五分 初期設定のままの無機質なホーム画面には、確かにそう記されていた。 見間違いかと思って再度確認...
自作小説

プロローグ

あの日、君は姿を消した。 年下の悠介が『君』なんて呼ぶのはおこがましいだろう。 しかし、彼女はそんなことで怒るような人でもなかったし、何よりもう二度と会うことはない。 彼女は、悠介にしか見えなかった。 俗に言う幽霊と...
自作小説

約束の日

「夏休み前に二者面談をする。その時までに進路をしっかりと決めておけよー」 先生の言葉に、教室は騒つく。 僕の周りでは、不安を共有するようにお互いの進路について語り合っていた。 そして、僕も紛れも無くその一部だった。 「秋...
自作小説

新しい君と

あれから何度も美月のお見舞いに行こうとした。 ……だが、結局僕は一度も病院に顔を出すことはなかった。 ……現実を知るのが怖かった。 そんな風にくすぶっている内に、夏休みは最終日を迎えた。 だからと言って特に感じること...
自作小説

邂逅

自宅に戻ってきた僕には、思わぬ客人がいた。 「……あなたは」 「坊主、大きくなったな……」 客人とは、僕の両親を轢いてしまったトラックの運転手だった。 「どうしても充ちゃんに会いたいって言うからねぇ。待っててもらったんだ...
自作小説

彼女の本心

高校に入って二度目の夏休みは、残り一週間ほどに差し迫っていた。 僕は、美月の家に向かっていた。 彼女のお母さんに、全てを話さなくちゃいけないと思った。 ……あの日、海で眠ってしまった僕たちは、警察のお世話になることとな...
自作小説

新月の夜に

僕たちは海にいた。 現在時刻は二十二時。 どうしてこんな所に来たかというと、美月が突然海に行きたいと言い出したからだった。 正直な話、こんなことしてる場合じゃないというのは分かっていた。 やるべきこと、優先すべきことが他...
自作小説

倒れてしまった美月は、未だに目を閉じたままだった。 僕たちは、秋月さんの家にお邪魔していた。 ……結局あの後、女は目的を果たしたのか僕たちの前から姿を消した。 そして、僕たち三人だけが取り残された。 すぐに美月を病院に連...
自作小説

真実

物語の余韻に浸り、私はボーッとしていた。 私はいつまでここにいるんだろう……? ふと、そんな疑問が頭を駆け巡った。 それと同時に、私は突然背後から声をかけられた。 「ついに、全てを知ってしまったのね」 「あなたは…...
タイトルとURLをコピーしました