劇場版 青春ブタ野郎はゆめ見る少女の夢を見ない 感想 この物語が伝えたかったこととは!? 彼らが全力で送る現代へのメッセージ

アニメ感想

『青春ブタ野郎はゆめ見る少女の夢を見ない』という映画を見てきました。

なかなか上映されている劇場がなかったので、車を使って片道二時間かけて見に行きました。

こんなに素晴らしい作品なんだからもっと全国的に放映すればいいのに、と毎回思います笑

今回で二回目だった私ですが、改めてこの作品は本当に素晴らしいと感じたので、再び感想を書き連ねていきたいと思います!

展開を全て知っていたにも関わらず同じところで泣いてしまいましたし、逆に知ってるからこそ「この台詞ってそういう意味だったのか」と違うところでも泣いてしまいました。

映画が約90分間なのですが、そのうちの60分は泣いてました。

ここからは、私が感じたことを緩く話していこうと思います。

ここから先はネタバレが含まれていますので未視聴の方はご注意下さい!

 

この物語のテーマはなんだったのか?

 

早速本題です。

やはり、物語やエンターテイメントというのはこの部分は大きいですよね?

一番大切な部分、核となる部分と言っても過言ではありません。

個人的に、作品というものはそういった『テーマ』『メッセージ』を鑑賞者に伝えるというのが一番の目的だと感じています。

そこで重要なのは『青春ブタ野郎はゆめ見る少女の夢を見ない』では何を伝えたかったのかということです。

この問いに対して私が出した答えは『思いやり』だったのではないかと思います。

物語の大筋としては、咲太が翔子さんを選ぶのか、麻衣さんとの未来を選ぶのか葛藤するという部分にフォーカスされています。

これ自体はよくあるパターンかもしれませんが、更に良いのが麻衣さんと翔子さんの選択やそこに至る想いも描かれてるということですね!

咲太は麻衣さんとの未来を選びたいし、翔子さんにも生きていて欲しいわけです。

誰かが助かり、他人が幸せになれるのはらば自己犠牲も厭わない思えるのが咲太という人間です。

咲太にとって翔子さんは初恋の人ですし、尊敬しています。

もちろん、そういった背景があったからこそ『翔子さんのために』と思える部分はあったと思います。

それでも、例えそれが別の人だったとしても咲太はなんとかしようと動いていたはずです。

今までの彼の行動や考え方が分かっていると、そう思わずにはいられないですよね。

でも、だからこそ咲太は選択に苦しみ、どうしたらいいか分からなくなってしまったんですね。

仮に、咲太が麻衣さんと出会っていなくて翔子さんしか知らなかったら、迷わずに命を差し出していたと思います。

その場合は過去や未来がずれているのでまた別の話になってしまうのかもしれませんが、仮にもの話です。

咲太にとって、麻衣さんという存在が良くも悪くも決心を鈍らせていたんですね。

中盤で咲太が「麻衣さんにあんな顔をさせたくなかった。……だから、生きたい……!」

と言いました。

この台詞から読み取れるのは、『翔子さんが助かるなら自分はどうなっても構わない。だけど、麻衣さんのために死ねない』ということで、咲太の他人を思いやる優しさを決定付けるものです。

この一言に咲太の人間性がギュっと凝縮されていて、改めて見てもこのシーンは涙なしでは見られませんでした。

そして、その『思いやり』を持っていたのは麻衣さんと翔子さんもだったんですね。

 

麻衣さんについて

 

麻衣さんからすれば、咲太にはどうしても生きていて欲しいわけです。

ハッキリ言って、麻衣さんにとって翔子さんは恋路を妨げる障害ですからね。

最初の段階で、麻衣さんが翔子さんに対してあまり良い印象を持っていなかったのは明らかです。

かえでの事件の時にも翔子さんが現れたことに対して複雑な感情を抱いていましたからね。

咲太が翔子さんに振り回されてるところを見るのはかなり辛かったはずです。

それでも、咲太が救われるのならと思っていたからこそ今まで傍観してきました。

しかし、事情を知ってしまい、咲太同様麻衣さんもどうするべきなのか段々と迷いが生まれてくるわけです。

翔子さんを助けるんだとしても、きっと咲太さえいてくれれば麻衣さんはそれで良かったんですよね。

あれだけ苦労して復帰した芸能の仕事を捨てても、嫌われてでも、咲太を翔子さんに取られてしまったとしても、麻衣さんは全てを受け入れようとしました。

それなのに、捨て身で咲太が翔子さんを助けようとしたことは、耐えられないほど苦しかったはずです。

そして、それらを体現したのが咲太を救ったシーンだったのだと思います。

先ほども言った通り、麻衣さんにとっては咲太の生存が最優先なわけです。

そのためだったら自分が犠牲になってでも構わない。

その決意が分かるシーンです。

『言ってもダメなら行動して止めてみせる』

というのが実に麻衣さんらしいと思いました。

麻衣さんの行動も、咲太と根底は一緒なんですよね。

咲太に生きていて欲しいと思うのはもちろんのことです。

しかし、それよれも重要なのは、麻衣さんが翔子さんに対してどう思っていたかということなんですね。

麻衣さんは終始翔子さんに冷たく当たっていましたが、ドナーカードを記入していました。

咲太を助けるためだとしたらそんなことをする必要はないわけです。

何せ恋敵な訳ですから。

でも麻衣さんはそれをしなかった。

自分が思いついた理由は三つあります。

一つ目は、それでも翔子さんに生きていて欲しかったという点です。

麻衣さんの性格からして、あの話を聞いて中途半端に引くことはできないのと思っていたのではないでしょうか?

自分にできることがあるなら何かしてあげたい。

そう考えているのは、最後の映画の主演の話でも伺えます。

そして二つ目に咲太の幸せを誰よりも願っていたからという点です。

咲太が助かったとしても、自分が亡くなった上に翔子さんまで殺させてしまったと感じてしまったらどうなるか、麻衣さんは全て見通していました。

そうなってしまっては、生きていても咲太は罪悪感や後悔に押し潰されてしまう。

それが分かっていたからこそ、ドナーカードを記入したんだと思います。

事実、事故が起きてからの咲太は地獄のような苦しみを味わってしまい、見てるこちらも胸を締め付けられました。

当事者たちにとって、その痛みは計り知れないことでしょう。

そして三つ目は、最悪に備えての最後の切り札です。

二つ目とも近い部分はありますが、もしかしたらこちらの意味の方が強かったのかもしせません。

最悪というのは、咲太の救出に失敗してしまい、麻衣さんも咲太も事故に巻き込まれてしまった場合のことです。

もしそうなったとしても、自分を犠牲にすることによって咲太を助けようとしたということです。

とはいえ、これも仮にもの話です。

こうなってしまった時点で、翔子さんは心臓を病み、咲太と麻衣さんは事故で瀕死になってしまっています。

そんな状況になれば、翔子さんの心臓は別の人から提供してもらおうと医者も考えるかもしれません。

それか、二人のうちどちらかから移植手術をするかもしれません。

そうなれば、咲太か麻衣さんか、確率は二分の一です。

もしも咲太に回復の兆しがあれば、そのまま麻衣さんが犠牲になることで翔子さんの命が繋がれます。

そうじゃなかったとしても、麻衣さん臓器を咲太に移植して救うことができるかもしれません。

と、色々と考えてみましたが、やっぱり仮定の域を出ないんですよね笑

本人がどのような気持ちだったのかは想像するしかありません。

でも、麻衣さんが何かを感じ行動した結果、未来を繋ぐことができた。

そのことにこそ意味があるんだと思います。

こういったことから、麻衣さんも形は違えど二人に生きていて欲しかった。

そして、可能なら全員で幸せに生きたかった。

そう考えているのがよく分かります。

その証拠に、終盤で咲太がやり直そうとするのを麻衣さんは受け入れるんですね。

恐らく、物語冒頭の部分ではその選択を受け入れられなかったと思います。

翔子さんに対する考え方の違いというのはもちろんあります。

ですが、それ以上に麻衣さん自身も葛藤し、苦しみ、それを乗り越えたからこそ咲太の選択を受け入れられるようになったんだと思います。

あの出来事があったからこそ、麻衣さんは更に成長したのでしょう。

 

翔子さんについて

 

そして、今回のキーパーソンの翔子さんです。

翔子さんは、最初から咲太を救うという目的で動いていました。

自分に生きる意味や命をくれた人を、何としてでも救いたいと思っています。

麻衣さんのことはともかく、翔子さんも咲太に幸せに生きて欲しいと考えているのは間違いないです。

だからこそ、咲太が絶望していた時にいつでも手を差し伸べてくれました。

咲太も言っていた通り、翔子さんがいたからこそ咲太という人間がいるんですね。

しかし、翔子さんは自分と出会ってしまったから咲太を悲しませてしまったとも思っています。

もちろん、咲太はそんなこと全く思ってないんですけどね。

ですが、翔子さんからすれば自分がきっかけで一連の流れが生まれてしまったわけで、そう思ってしまうのは仕方のないことです。

そのきっかけさえ摘み取ってしまえば、咲太は最初から幸せに生きられると考えてるわけです。

『自分が忘れ去られたとしても構わない。それよりも咲太の幸せを誰よりも願ってる』

この点は麻衣さんと同じですね。

そして、自分の手で全てをリセットする決意をするんですね。

と、このように咲太、麻衣さん、翔子さんの三人がそれぞれ葛藤を経て選択をしていくわけです。

誰かが誰かを思いやり行動を続けた結果、未来を変えることができた。

翔子さんは咲太に幸せに生きて欲しかった。

咲太は麻衣さんと共に歩みつつも、翔子さんに幸せに生きて欲しかった。

麻衣さんは咲太に幸せに生きて欲しかった。

これら全てが交じり合ったからこその結果です。

誰か一人が欠けてもダメでした。

それはもちろん、国見や双葉たちもそうです。

みんなの力を合わせて、幸せな未来を掴み取ったのです。

そして、そのきっかけを作ったのも翔子さんです。

咲太を救おうとしたことから始まり、そして自分の弱さを受け入れて過去に戻ることで終わらせました。

極めつけは最後のシーンですね。

咲太の幸せを願い、全てを捨てる覚悟で戻った先でも、咲太は翔子さんのことを思い出しました。

翔子さんは本当に幸せだったと思いますよ。

どれだけ過去に戻ろうと、記憶を失おうと、絶対に忘れられない大切な人。

咲太と翔子さんはまさに『運命の人』です。

この時、翔子さんの病気がどうなっていたかというのは明確にされていません。

しかし、そこはそれほど重要ではないと思います。

一番大切なのは、咲太の心の中にはやっぱり翔子さんが居続けていて、それを思い出すことが出来たということなんですね。

そして、みんなが誰かの幸せを願って何かしらの行動をしていたということです。

まさにテーマである『思いやり』が最後まで徹底して描かれていました。

殺伐とした現代社会に対して、非常に強いメッセージ性と温かさを感じる物語でした。

 

ここからは翔子さんの思春期症候群についてです。

前回見た時は少し理解しきれなかったのですが、今回見て何となくその意味が分かりました。

双葉の言っていた通り「未来に辿り着いた」ということだったんですね。

翔子さんのの思春期症候群は、小学四年生の時がスタート地点になっていました。

ここできっかけになったのが『未来を拒む気持ち』ということで、なかなか面白いと思いました。

そして、それを受け入れることがそこに戻るトリガーになるというのも深いです。

その力を自分のためではなく、他人のため、誰かのために使おうとする翔子さんは本当に優しい人です。

咲太も「やり直すのは牧之原さんのためでいい」と言ってましたしね。

実際にそんな力を持ってしまえば悪用する人も現れることでしょう。

しかし、彼女はそうしなかった。

自分のためなのか、誰かのためなのかという境界線は非常に曖昧です。

広い定義で言えば、ある意味で何をするにしても自分のための行動とも捉えられます。

今回の話で言えば、翔子さんが咲太を助けたいと思うのはもちろん咲太のためを思ってのことです。

しかし、そこには翔子さん自身がそうしたいというエゴもあったはずです。

そういったことを踏まえると、全て自己満足のためとも考えられますよね?

とは言っても、他人を軸にして行動することの出来る翔子さんは本当にすごい人です。

翔子さんが強くて優しいと思える理由は、こうした方が良いという想いをしっかり貫き通せるところだと思います。

たとえ自己満足だったとしても、咲太が幸せになれるならそうした方が良いという想いがあって、それを叶えるためにひたむきに動き続けられるという部分ですね。

誰かのためを思ってたとしても、それが形にするのはなかなか難しいことです。

傷付けてしまうのではないかと迷ったり、嫌われてしまうのではないかと思うことも多いですよね。

それどころか、想いが通じずすれ違いなってしまうことすらあり得ます。

しかし、翔子さんはそういったことを顧みず、相手のためを思ってひたすら真っ直ぐ突き進んでいくんですね。

ここら辺は「嫌われたくない」と言っていた麻衣さんとは異なる部分だと思いました。

ここまで出来る翔子さんはあまりにも強いです。

咲太の言葉を借りるなら「どうかしてる」でしょうね。

今回は改めて翔子さんの魅力を再実感しました。

 

おまけ

 

これは本編には関係無い部分なのですが、前回も書いた来場者特典のことについての部分です。

前回の記事で、私は特典の短編ライトノベルを電子書籍にして、見に来た人にはそれを読む権利を与えればいいんじゃないかということを書いていたんですね。

そして今回再び見に行ったわけですが……。

なんと、自分が書いた通りのことになっていたんですね!

これに関しては本当に驚きました。

「あれ、来場者特典もらえるようになったんだ。……ん?表紙しかないぞ。おかしいな……」

みたいな感じで裏返すと、暗証番号のようなものがあって、そこで全てを理解しました笑

正直、自分なんかがそこまで影響力を持っているとは思えませんし、他にもそういった意見が多く取り寄せられたんだと思います。

とは言え、自分の意見が反映されたような気がして本当に嬉しかったですね。

やっぱりしっかりと自分の考えを発信していくことは大切なんだと、改めて実感させられました。

しかも翔子さんのクリアファイルまでもらえて幸せ倍増です。

もう一度見に来て本当に良かったです!

DVDが出たら買うかもしれません。

というより、翔子さんのグッズが欲しいと思う私なのでした笑

特典のクリアファイルです


青ブタカフェにも行きました!

かえでちゃんのコースターを頂きました。

まとめ

 

まとまっていない部分もあるかもしれませんが、感じていたことは概ねかけたと思います。

大袈裟な表現になるかもしれませんが、現代に生きる全ての人には是非見て欲しいなと思える作品です。

それだけ、優しくて温かくて何かが残る物語なんですね。

タイトルでちょっと……と思う方にも偏見を外して見ていただければと思います。

少しでも多くの人に青ブタの魅力が伝わりましたら、私としても嬉しいです。

 

最後に、関連記事を紹介しておきます。

私自身も小説を書いていますので、よろしければそちらも読んでみてください!

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